寄稿 : IKILINKS代表 足利 俊樹
こんにちは、IKILINKSの足利と申します。弊社は、日本人の方のマレーシア移住を幅広く支援している会社になります。支援内容としては、MM2HやPViPといったマレーシアでの滞在ビザの取得支援、マレーシア法人やラブアン法人を活用したマレーシアでの事業スタートの支援、お子様のインターナショナルスクールへの入学支援、マレーシアでのお住まいとなる住宅の紹介、購入サポートなどになります。
一社でこれだけのトータルサポートを行なっている会社は意外と少なく、その意味ではマレーシアの移住サポート会社の中でも独自色のある会社です。
私自身2014年に家族とマレーシアに移住してきており、かれこれ10年近くマレーシアで生活&仕事をし、その経験を踏まえて多くの方々にマレーシア移住を勧めてきています。
この記事では、そのような私の目線から、クリプト民にとってのマレーシア移住の魅力をご紹介させていただきます。
本記事では、マレーシアへの海外移住について記載しています。本日現時点(2023/06/02)での情報となりますので、予めご理解ください。
- クリプト民の移住先国
- マレーシアへの移住を実現するビザ
- ①マレーシアで法人を設立して、就労ビザを取得する
- ②長期滞在ビザ(PViPビザorMM2Hビザ)を取得する
- ③学生ビザ+保護者ビザと観光ビザの組み合わせで滞在する
- さいごに
クリプト民の移住先国
私の想定するクリプト民の特性としては、①ネットがあればどこでも仕事できる、②それぞれの国の税制に敏感、③クリプト民同士での情報連携スピードが速い、④新しいことに規制なくチャレンジしてみたい、という点が挙げられるのではないでしょうか?
その意味では、日本はクリプトの取引に対して高い税率を求めていますし、新しい取り組みをするにしてもクリアしないといけない規制が多いと感じていらっしゃる方々も多いのではないかと思います。一旦、そのように感じてしまうと、日本以外の国により多くのチャンスがあるのではないかと思い、海外での新しい生活を考える傾向にあるかと思います。
また、すでに海外移住を実現している先輩クリプト民の情報を受けて、その環境を羨ましく思っていらっしゃる方も多いことでしょう。
先輩クリプト民の方々の向かう国として有名なところは、シンガポール、ドバイ、タイあたりの国になるでしょうか。
これらの国々は、クリプト民の方が期待する条件である税制面や活動の自由度という点からサポートしている国ですし、国をあげて新しいウェーブを作っていこうとしている側面もある国々かと思います。
しかしながら、それぞれの国でのデメリットもありそうです。
No | 国 | 移住のデメリット |
1 | シンガポール | • 生活物価が高く、ある程度の資産がないと生活が続かない
• 滞在ビザの取得や維持が難しく、長期的な滞在を維持することが難しい |
2 | ドバイ | • 生活物価が高く、ある程度の資産がないと生活が続かない
• 食生活の選択肢がシンガポールやタイと比べると狭い
• 日本との時差が若干あり、日本とのビジネスでは時間調整が必要になる |
3 | タイ | • 契約書等がタイ語になることや、日常生活でもタイ語を活用する必要が出てくる |
上表のようなデメリットは、移住先の国の選定として致命的なデメリットかというとそのようには思いません。
海外移住の目的が達成されるのであれば、それほど高いハードルではないですし、単身での海外移住では、なんとかクリアできるデメリットと思われます。
しかしながら、家族での海外移住となるといかがでしょうか?奥様はどのような反応になるか?お子様たちは新しい環境に馴染んでくれるか?そのコストはどれほどか?と色々考えていくと単身であれば高いハードルではないデメリットも家族での移住となると何倍にも負担になってくる可能性があります。
挙句には海外移住を断念するというケースもあるかもしれません。
このように家族も含めた場合の移住先候補としては、上記の三つの国以外に、マレーシアという選択肢が出てくるのではないでしょうか。
マレーシアはタイとシンガポールに挟まれるように存在している国で、両国の良いところを備えている国です。気候は年中暖かく、温暖ですし、生活コストも、タイ(生活コスト安め)やシンガポール(生活コスト高め)と比べるとその間ぐらいのコストで生活でき、英語をベースに活動することができます。
日本人が滞在したい国としてマレーシアが長年選ばれてきている実績も、すでに多くの日本人の方がマレーシアでの移住を実現しているということで、安心感のひとつになってくると思います。
私の周辺の方々のご意見からの判断ですが、マレーシアに移住したご家族は、数年マレーシアで生活をしてみると、日本に帰りたくなくなる方が多い印象です。
マレーシアと日本を比べると、同調圧力的な周りの意見に捉われることなく自分の思い通りの生活がしやすく、英語が通じやすく、食事も日本人の口に合う料理を多数選択ができるところがその理由になっているかと思われます。
また、マレーシアは教育にも力を入れている国であり、日本人の我々が入学できるインターナショナルスクールは、カリキュラムと授業料の両面で、選択肢が豊富に用意されており、お子様の将来を見据えた家族移住先としてマレーシアはバランスの取れている国になります。
読者の皆さんにとって重要なことですが、マレーシアはクリプト民に対して寛容な印象です。マレーシアでは株やFX取引での利益には非課税になりますし、仮想通貨の取引も非課税になります。
2022年には、マレーシア国内でもビットコイン等の仮想通貨を法定通貨にするかどうかの話題が上がっているほどです。マレーシアは日本と比べると既得権益の力も強くはないため、新しい取り組みを行なって、国をより豊かにしていくことに積極的な印象です。
その分、詐欺的な手口なども広がることもありますので一長一短ではありますが、クリプト民がマレーシアに移住し、クリプト活動を行うことも可能な国の一つになります。
マレーシアへの移住を実現するビザ
マレーシアで生活している日本人数は、外務省の報告によれば25,000名程度と言われています。この数は、コロナ禍で数が減少していますが、東日本大震災があった時に、約10,000名の方々が一気にマレーシア移住を実現して増えてきていました。
日本での未曾有の震災時に、多くの日本人ご家族がマレーシアに向けて移住してきているのです。そして、その後もその数字は傾向としては増えていると思います。
このような事象は他国ではみられない事象で、多くの日本人の方がマレーシアを他国と比較検討した結果、移住先として選ばれた結果の現象であるということも言えます。
そうした日本人の先人たちが多数選択し、引き続きマレーシアでの移住生活を選択しているということは、やはり多くの方にとって生活しやすい環境と思わせるものがあると考えても良さそうですね。
それでは、マレーシアを移住先と選定した場合に、どのようなビザで滞在するのが良いのかを説明してみたいと思います。
①マレーシアで法人を設立して、就労ビザを取得する
日本で事業をお持ちのケースであれば、マレーシアに法人を設立し、その法人から就労ビザを取得して、マレーシアに移住するという方法があります。
マレーシアで事業を行う場合、どんな事業でも外国人が参入できるわけではありません。そのため、どのような事業でマレーシア法人を設立するかは重要になります。
マレーシア政府は、仮想通貨、ブロックチェーンを活用した事業には前向きですが、銀行等はまだまだ前向きとは言えません。そのため、マレーシア法人の事業が仮想通貨等を想像される事業の場合、銀行口座が開設できないこともあります。
マレーシアで法人を設立する場合は、仮想通貨関連ではない事業での法人設立を検討することが必要になりますので、ご注意ください。
マレーシアではマレーシア法人以外にもラブアン法人という法人を設立することが可能です。このラブアン法人を設立することで就労ビザを取得することも可能ですが、ラブアン法人は海外との取引をベースとした事業であることが求められています。また、マレーシア法人と同様に金融系の事業や仮想通貨事業ではないことが求められます。
海外に移住する王道として現地での法人設立という選択肢は、マレーシアでも可能ではありますが、どのような事業での法人設立かにより異なってきますので、その点は注意をしながら検討を進めていくことをお勧めいたします。
②長期滞在ビザ(PViPビザorMM2Hビザ)を取得する
2022年の10月より、マレーシアではまとまったお金を政府に支払うことで、20年間のビザを取得できるようになっています。PVIP(Premium Visa Programme)ビザは、マレーシアに滞在することも、就労することも可能となるビザになっており、マレーシアに移住したいけれども、引き続き仕事もしていきたい方にメリットがあるビザプログラムになっています。
また、マレーシアが日本人の移住先として評価されている一番の功労者が、MM2Hビザプログラムであると思います。残念ながら取得条件のハードルが上がり現在は誰でも取得できるビザプログラムではないですが、マレーシアで仕事をする必要はないケースですとMM2Hビザは現在でもマレーシア移住の王道なビザプログラムになります。
③学生ビザ+保護者ビザと観光ビザの組み合わせで滞在する
マレーシアでは、お子様をインターナショナルスクールに通わせることで学生ビザを取得することが可能です。また、その場合、保護者のうちお一人が保護者ビザを取得でき、お子様と一緒にマレーシアに滞在することが可能になります。
マレーシアでは、このようにインターナショナルスクールに通わせるということだけでも滞在ビザを提供してくれますので、ありがたい国だと思います。マレーシアの学生ビザや保護者ビザは、州によっても条件などが異なりますので、どの州の学校に通わせるかにより異なってきますので、ご注意いただければと思います。
家族がマレーシアに滞在する権利を確保したご家庭では、旦那様は日本、シンガポール、マレーシア、タイなどを往来する生活はいかがでしょうか?マレーシアには観光ビザでの滞在となるため、滞在日数などに制限が発生しますが、他国にも移動しながら各国のメリットを享受できるライフスタイルを得ることも可能になります。
マレーシアには様々な滞在・就労ビザを取得できる選択肢があり、それぞれのご家庭のご要望に応じたビザを選択することが可能な国の一つです。
昨今では、マレーシアのインターナショナルスクールの環境が日本人ご家族にも人気が出てきており、ご家族でのマレーシア移住とお子様のインターナショナルスクールへの入学をセットで検討されているご家族がどんどん増えています。
その意味では、単身での移住先としては、タイやドバイ、シンガポールといった国も選択肢になりますが、家族も伴っての移住先としては、マレーシアに優位性があるのではないかと思っております。
ぜひ、皆さんの実現したい海外移住をマレーシアも選択しに入れながら、検討いただければと思います。
さいごに
「[寄稿記事] クリプト民の移住先としてのマレーシア」はいかがだったでしょうか?
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